19B
「ちゅぴっ」
「あんっ……」
いつもお姉ちゃんとしているキスの、おやすみバージョン。
なでなでするみたいに唇をなぞり、寝かしつけるみたいに舌をのんびり重ねる。そして、柔らかく絡ませる。
「んんっ……んっ、くぅんっ」
それでもみもりさんには刺激が強かったみたいで、机をギュッと握りしめてカタカタ震わせる。
落ち着かせようと、僕は胸をそっと撫でる。そして唇を離して、今度はチュ、チュと軽く吸う。
大丈夫だよってことを伝えてから、もう一度、浅い場所を舌で撫でる。
「ふぅぅん、んんっ……」
甘い吐息でみもりさんから力が抜けて、唇が柔らかくなる。
少しだけ舌を潜らせてから、軽く一周する感じで口の中を舐め、ちろちろと舌同士を触れさせる。
そして、ゆっくりと深く差して、てろてろと歯茎の裏を撫でてあげる。
怖くなんかないよ。キスは優しいよって彼女の口に教えてあげるんだ。
「……ふにゅぅ」
やがて、みもりさんのまぶたがぴくぴく震え、くたっと体から力が抜けて口が開いた。
そろそろいいかなって思って、僕は顔を上げる。
玲奈さんは、顔を赤くして目を丸くしてた。他の女子たちもシーンとなってた。
「あの」
「えっ!? あっ、あぁ、まあ、よかったわ、今の。よかった」
玲奈さんは少し慌てたみたいにコクコク頷く。女子たちがザワザワっとして、杏実さんが「さすがじゃん」って親指を立ててくれた。
よかった。いい演技が出来たみたいだ。
「でも、みもりが全然目覚めてないわ」
「あ」
見るとみもりさんは、はぁはぁと息を荒くするだけで眠ったままだった。
「今のはかっこよかったけど、それじゃダメよ。目覚めさせるような強烈なキスじゃないと」
「そっか……僕がうかつだったよ」
どうして、おやすみバージョンのキスをしたんだろう。
あれは気持ちよくって僕が眠っちゃうキスだ。おはようバージョンのキスじゃないと。
「それじゃもう一度。王子様は白雪姫に強烈なディープキスをしました」
最近ではお目覚めはフェラチオがほとんどだけど、それまではキスでお姉ちゃんは僕を起こしてくれていた。それを思い出してやってみよう。
僕はまたみもりさんにキスをする。最初は優しく、徐々に激しく。
寝ぼけた舌を引きずり起こすみたいに、強烈なキスを。
「んーっ、んっ、んんっ、んっ、ちゅぶっ、はぁ、んんっ、んーっ!?」
「ゴクリ……も、もっとよ。もっと強烈なやつじゃないと白雪姫は目覚めないわ」
「んんーッ!? んっ、んっ、ちゅぶっ、れろ、れろ、んんんっ!」
玲奈さんの指示に従って激しいキスを続ける。みもりさんは机の足を握りしめてカタカタ揺らしている。
まだかな。
結構、舌が疲れてきたんだけど。
「……すごい」
「うん。委員長って、慣れてるみたい」
女子からもいろいろ言われてるし。
慣れてるってほどじゃない。お姉ちゃんと毎日しているってだけで。
他の女子とは、杏実さんとしかしたことなかったし。
「……そろそろいいわよ」
僕はみもりさんから口を離す。
彼女はもう涙目になっていて、すごく息を乱していた。ごめんね。不快な思いをさせて。
玲奈さんは、ニヤって笑った。
「王子様は、目覚めた白雪姫にプロポーズしました」
そうだ。演技を続けないと。
「美しい白雪姫。僕と結婚してください」
「は、はい……王子様、今すぐ結婚して……」
僕の腕にしがみついてみもりさんが言う。
ん?
でも、そこは「王子様、喜んで」だったような。
みもりさんは真っ赤な顔をしてぷるぷる震えている。キスで疲れてセリフが飛んじゃったのかな。
「そして二人は、幸せなせっくすしました」
「え?」
ざわっと教室の空気が凍った。
せっくす?
あの、セックスのこと?
玲奈さんは、誰かの机の上に片膝立てて座り、もう一度言う。
「王子様と白雪姫はせっくすをしました」
しんと静まり返る教室。玲奈さんと杏実さんだけがニヤニヤしていて、女子はほとんど怖がっていた。
これから始まろうとしていることに。
「そ、それは無理だよ。そんなのもうお芝居じゃないよ」
「どうして? お芝居で本気のえっちしている動画ってネットでよくあるじゃない。観たことない?」
「ないけど」
「マジメか」
「いてっ、なんでボク?」
杏実さんが更別さんのお尻をペチっと叩いた。とばっちりだ。
「早く、王子様。みんな待ってるんだから」
女子を見渡すと、みんな目を逸らしてしまう。副委員長も真っ赤になって俯いている。
どうしよう。さすがにそれは無理だよ。
「……王子様」
みもりさんが、僕の手に指を絡めてくる。
「王子様……来て」
潤んだ瞳が僕を見上げる。
真っ赤に染まった頬と乱れた呼吸。役に入り込んでしまっているのか、僕のことを「王子」と呼んで熱っぽく見つめる。
「王子様とー」
「白雪姫はー」
「ずっこん、ばっこん、せっくすしましたー!」
玲奈さんと杏実さんが、声を揃えて腕を振り上げる。
遊んでるんだ。僕とみもりさんのこと。他の女子が見ている前で。これもイジメだったんだ。
「王子様ぁ……」
キスに蕩けたみもりさんは、状況がわかってないのか切なそうに僕の腕に爪を立てる。女の子の大事な処女はこんなやり方で失っていいものじゃない。同じ女の子の玲奈さんと杏実さんが、どうしてそれをわかってあげないんだ。
大好きな人と結ばれたいって、みもりさんも思っているはずなのに。
僕が断固拒否しないと!
「じゃあ、白雪姫は王子様に襲いかかりましたにする?」
「え?」
「うん、もうそれでいい」
「え?」
玲奈さんの発言に耳を疑った瞬間、みもりさんからも耳を疑うような発言が飛び出し、気がついた時には見事な払い腰で僕の体は白雪姫の簡易ベッド(机二つ)に転がされていた。
そして僕の上には四つんばいになった白雪姫がいた。
僕たちの白雪姫は柔道でも習っていたのか、寝技の体勢でハァハァと獣のように息を乱していた。
「王子様ぁ!」
「んんっ!?」
唇を塞がれる。乱暴に入ってくる舌。混乱している僕のズボンのファスナーを、みもりさんが下げていく。
「ちょ、ちょっと待って、んんんっ!」
抗議しようとすればみもりさんに口を塞がれる。玲奈さんと杏実さんも一緒になって僕の服を脱がせる。服を全部奪われてしまう。
なにこれ、怖い。演技とは思えないくらい、みもりさんの表情は迫真していた。
「森の小人たちは、白雪姫を手伝って王子様の手足を押さえつけました」
「小人たちって誰?」
「私たちでやっとく?」
周りで見ていた女子たちが、次は僕の手足を掴んで押さえつける。僕が抵抗できないように、お股の間に挟んだりしてくる。
「や、やめて……うぅっ!」
僕のパンツを脱がせたみもりさんが、股間に顔を埋めてくる。
くちゅくちゅと口の中で弄ばれ、気持ちよくなっていく。反応したくないのに、おちんちんが固くなってくる。
「森の小人も動物たちも、白雪姫の味方です。みんなで王子様のオカズになることにしました」
「え、オカズ?」
「また裸になればいいのかな?」
女子たちが服を脱いでいく。
なんで、男子のいるところで裸になれるんだ。こないだもそれで大騒ぎしたくせに。
更別さんはあっという間にすっぽんぽんに。鹿部さんは、じっくりと見せつけるように。
次々に女の子たちはパンツまで脱ぎ、ワレメを見せて、僕の周りに近づいてくる。
すごい光景だった。裸の女の子たちに体を取り押さえられ、おちんちんをしゃぶられている。
「……あはっ」
すっかり完全勃起した僕のを口から出して、みもりさんは妖しく笑った。
「チンポが固くなるのは、王子様が喜んでいる証拠です。口では何と言っても、王子様は気持ちよくて嬉しいのです」
「そ、そんなこと……ッ」
ない、と言い切れない。だっておちんちんは勃起しているから。
それは言い逃れしようのない証拠だった。お芝居だっていうのに恥ずかしい。
「そうなんだ……委員長は喜んでるんだ? みもりちゃんにおちんちんしゃぶられて……」
副委員長も裸んぼうだった。僕の顔にワレメを近づけて、ぷにぷにってほっぺたを突く。
ちょっと怖い顔してた。
「えいっ」
そして、お尻をぽよんと僕の顔に押しつける。
ぽよんぽよん。僕の大好きな副委員長のお尻が。
「あはは、面白そう。ボクもやる!」
更別さんが反対側からお尻を押しつけてくる。
女子のお尻にサンドイッチされてしまう僕。
「はぁはぁ……熱いよぉ」
みもりさんは、僕の上でパンツを脱いでしまった。ワンピースのスカートをまくりあげると、濡れたワレメを見せつけるように更に足を開く。
ハァハァと息を乱して、そのままおちんちんの上に跨ってしまった。
ちょっと待って。やっぱりこれおかしいよ。
なのに副委員長と更別さんの尻がぎゅうぎゅう迫って、上手くしゃべれない。
僕とみもりさんの性器がくちゅっと音を立ててくっつく。誰かが唾を飲み込む音がした。
みしっ。
「あんッ!?」
おちんちんの先に圧力がかかる。
玲奈さんと最初にセックスしたときと同じ重み。子どものワレメが無理しているときの痛みだ。
ぎちっ。
「あ、あっ、入っちゃう……」
だけど、みもりさんのアソコは玲奈さんのより柔らかかった。角度がよかったのか、あるいは悪かったのか、先っぽが埋まったと思ったら一気に奥まで入ってしまった。
ぶちぶちっ。
と、何かを突き破る感触も一瞬のことだった。
「きゃああああっ!」
みもりさんの悲鳴に、教室の空気が張りつめる。
僕のおちんちんにも強い圧迫がかかった。両手で思いきり握られてるくらいの締めつけだった。
「はぁ、はぁ、入っちゃった……王子様に、私のバージン散らされちゃった……」
女子たちが集まって僕の繋がっている部分を覗きこむ。
太ももに生温かいものが流れるのを感じた。
「わ、血が出てる。みもりちゃん、痛いの?」
「痛いよ……じんじんする……お、おちんちん入ってるんだもん」
「すっごい広がってる。形変わっちゃわない、これ?」
「ど、どうしよう。王子様のおちんちんの形、私のオマンコに残っちゃうのかも……?」
「なんかそれ、えっちすぎるよー。みもりちゃん、どんな感じ?」
「変な感じ。じわじわって、熱くなってく……今は痛い方が強いけど」
わいわいと僕のおちんちんの周りが騒がしくなる。恥ずかしい。どうして、みもりさんとセックスしちゃってるんだろ、僕。
本当にこんな演技でいいのかな?
「白雪姫は、王子様の上で腰を動かしました」
「あっ、次の演技しなきゃ。みんな、どいて」
「うんっ」
ぎし、ぎし、ゆっくりとみもりさんの腰が上下する。
血を流したワレメが僕のおちんちんの大きさに広がって、苦しそうに飲み込んでいく。
「うっ、うっ」
狭いし、きつい。みもりさんも余裕のない声を出して、目を涙でにじませている。
それでも、腰を上下に揺すっている。
「すごぉい……これがせっくすなんだ……」
女子の誰かがポツリと漏らす。みんな、みもりさんと僕の繋がっている場所に視線は釘づけになっていた。
「みもりちゃんとも、せっくすしてる……」
副委員長のお尻が、またギュって顔に強く押しつけられる。更別さんもお尻に力を入れてきた。
「せっくす……」
おそらく、女子のほとんどが初めて見るだろうセックスに衝撃を受けていた。
ぎしぎしと、机の軋む音しか聞こえなくなった。
「んっ、んっ、んっ、王子様、んんっ、んっ、王子様ぁ」
少しずつみもりさんが速度を上げていく。それにつれ、おちんちんの刺激も強くなって、僕も息が乱れていく。
「あっ、あっ、王子、様っ、王子様っ」
くちゅ、くちゅと水っぽい音が混じる。みもりさんの声も甘くなっていく。
「みもり、感じてきた?」
「はっ、はっ、なんか変な感じっ。おなかの奥が、ぽかぽかして、んんっ、おちんちんの当たってるとこ、ビリビリしてっ」
「白雪姫はとても淫乱姫でした」
「い、淫乱姫じゃないもん! 王子様が、おちんちんで、イジメるからだもん! あっ、あっ、こんな、固くて、かっこいいおちんちんで、ごんごんされたら、女の子は誰だってこうなるもんっ、あっ、あっ、姫は、白雪姫は、淫乱じゃないよぉ!」
「でも、お尻は止まりません。初めてせっくすに白雪姫は夢中になり、王子様のおちんちんを欲しがって、えっちにおねだりしてしまいます」
「はっ、あんっ、王子様、気持ちいいです! 姫は、王子様のおちんちんに、夢中です! あっ、あっ、王子様、王子様っ! おちんちん、もっと、姫のオマンコにくださいぃ!」
ぎしぎしぎしぎし、みもりさんは速度を上げる。
いつの間にか彼女のアソコもセックスに慣れたのか、ぬめりのある液体を出して滑りを良くしていた。
すごい演技力だ。まさに体当たりの演技でみもりさんはエッチな白雪姫を演じている。
「王子様も腰を振りました。白雪姫のオマンコは気持ちいいので、我慢出来なくなったのです」
僕も腰を振るの?
そんなの恥ずかしい。でも、女の子のみもりさんでさえこんなにがんばっているのに、男子の僕が出来ないっていうのも恥ずかしい。
下から突き上げるように腰を振る。みもりさんの体が浮く。
「あっ!? あっ、あっ、あっ、王子様が! 私のオマンコ、ズンズンしてるぅ!」
お姉ちゃんとするときはだいたいベッドだからスプリング使えて楽だけど、机の上でこれやるのは大変だった。
でも、がんばる。出来るだけ演技する。
みもりさんの中がますます締まって、僕も歯を食いしばらないと我慢できないくらいだった。
「これが、せっくすなんだね……委員長の、せっくす」
副委員長のお尻がじわっと汗をかく。更別さんのお尻も湿ってくる。僕の手足を挟んでいる女子たちの太ももも、モゾモゾと動いて濡れてくる。
女子たちに見られながら、お芝居でクラスメートとセックスするっていう異常な状況なのに、なんだか僕まで興奮してしまっていた。
もうすぐ出ちゃう。白いの出ちゃうよ。
「王子様は、白雪姫のオマンコの中にたっぷりと射精しました」
そ、それはダメだよ。演技で済まないよ。
お芝居で妊娠なんて大事件じゃないか。
「あぁ、あんっ、中出しっ、中出し、王子様のせーえき、私のオマンコに、くれるのっ。王子様の赤ちゃん、赤ちゃんっ、あんっ、あっ、姫、姫は、赤ちゃん、妊娠しちゃうぅ!」
みもりさんの腰がますます速くなる。それに引っ張れるように僕も動かしてしまう。頭の中で真っ白で、お芝居のこと忘れて腰を振っちゃう。
女の子は最後まで受け入れるつもりでお股を開くって、お姉ちゃんは言っていた。だから僕らのセックスはいつも中出し。リアルなセックスは必ず中出し。
でもこれは演技だ。お芝居のセックスなんだ。僕は、みもりさんの中にどうすれば―――
「きゃあぁぁぁぁあッ!?」
どくんって、彼女の中で暴発した。
狭いみもりさんの中はすぐに僕の精液を溢れさせ、結合部をドロドロにした。
滑りの良くなったソコを何度も往復して、どぴゅどぴゅってたくさん出す。みもりさんのアソコはひくひく痙攣して、ぎゅうぅって僕のを締めつけた。
「あーっ! あ、あっ、あぁー!」
天井を仰ぐようにして、口から唾をこぼして、みもりさんは大きな声を上げる。僕は結局、全部みもりさんの中に出してしまった。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……」
「すごい……中に精液出した」
「赤ちゃん出来ちゃうんじゃないの?」
「みもりちゃん、ママになるんだ……」
女子たちもざわめき出す。
小さくなっていく僕のおちんちんを入れたまま、みもりさんのアソコはトロトロと精液を逆流させていた。僕の胸に手をついて、肩で息をしながら、やがてみもりさんは顔を上げる。
「王子様が、私の中にいっぱい出してくれた……」
おしゃれなショートボブが汗で乱れて、顔に張り付いている。
どうしよう。ついつい中に出しちゃった。とんでもないことしちゃったよ。
僕たち、まだ子どもなのに。
「私……とうとう王子様の女にされちゃったぁ……」
なのに、みもりさんの微笑みは、この年頃には似合わない大人の妖艶さがあって、僕はドキドキした。
そしてこれが、出し物の発表日まで続く、長い長い舞台練習の始まりだった。